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【Blog】起業へ至る思い

さて、2023年も残すところ僅かです。今年の最大のチャレンジは、この株式会社PIERを起業したことだと思います。

以前から「いつか起業をしたい」という思いや、医療や大学医局の問題を解決するためには会社が必要なのではないかと漠然と考えていました。しかし、自分の性格上「いつかやろう」は先延ばしにしがちでした。

自分の夢や目標は、他人に話すことで外的動機が働いて実現しやすくなります。今年は中長期的な目標を他の人に話すようにしていました。その中で起業が具体的なアイディアになってきたので、何人かの先輩方にプレゼンさせてもらいました。そして「とりあえず早く会社作ったら?」と最後に背中を押して頂いたのがきっかけで9月末に登記をしました。

自分が出身校でもある慶應義塾大学医学部に戻ったのが2019年なので、次の3月で丸5年です。大学でしかできないこともたしかにたくさんありますが、大学の常識は世の非常識と思うことも多々ありました。その中で一番困ったのはお金の問題でした。

自分の給料が安いのは、外勤(バイト)で補填できます。しかし、医局を運営していく上での経費(備品購入など)や医局秘書を雇うお金も自分たちで管理・獲得する必要があります。自分は幸い科研費という大きめの研究費を獲得することができました。しかし、それでも年100万くらいの額です。論文の英文校正や投稿費、学会出張費などをそこから出すとあっという間に予算を使い切ってしまいます。科研費を使い切って、また同じ研究費がとれるとは限りません。

一方で、大学にはたくさんの知識やスキルを持った人が集まります。いろんな分野の研究者もいるし、単純に論文にアクセスしやすい環境(図書館も)あります。そんな知識やノウハウを求めて、企業や公的機関からヒアリングに来る人もいます。

そんな経験からアカデミア(大学)には、知識やスキル、そして人がたくさんいるが、お金を集めるのは苦労する。一方で、民間病院はお金を生み出せるが、専門知識やスキル、人がいないことが苦労をしているところがある。このミスマッチを解消して、お金が循環する仕組みを作ると「新しい医局」が作れるのではないかと考えました。このアイディアを形にしたのが株式会社PIERです。

この会社の目的は、アカデミアにある知識、スキル、そして人を開放して、コンサルティングや教育・研究支援を通してもっと世の中に広くインパクトできるようにする。そしてその対価としてお金をアカデミアに集めて、研究や教育に注力したい人にちゃんと対価を払えるようにすることです。

まずは、自分が興味・関心のある総合診療やプライマリ・ケアをテーマに社会にインパクトを与えつつ、ビジネスとして成り立つ形を模索していきたいと思います。

アイディアを話したときに「一緒にやろう!」と言ってくれた、中高の同級生である親友の石川翔太とともに、医療×ビジネスでプライマリ・ケアに新しい風を吹かせられるように頑張っていきます。

2023年12月27日

安藤 崇之

 

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