代表の安藤が投稿した論文をご紹介致します。
Journal of General and Family Medicineに「Measurement of polydoctoring as a crucial component of fragmentation of care among patients with multimorbidity: Cross-sectional study in Japan」という論文が掲載されました。
【研究の背景】
多疾患併存(Multimorbidity)を抱える患者さんのケアには、多くの医師や複数の医療機関が関わることが多いです。複数の医師が係る場合にはうまく連携がとれないと患者のケアの断片化につながり、治療の非効率性や非効果性を引き起こす可能性があります。この論文では、この問題に対処するために、「定期的に訪れる施設(RVF)」の数を基にポリドクターを測定する新しいアプローチが紹介されています。
【研究の方法と結果】
慶應義塾大学医学部百寿総合医療センターが行っている川崎Aging and Wellbeing Project(KAWP)というコホート研究のデータを使用し、85~89歳の自立した高齢者968人を対象に、RVFとケアの断片化指数(FCI)、ポリファーマシー、外来医療費用との関連を調査しました。その結果、RVFがポリファーマシーや外来医療費と有意に関連していることが明らかになりました。
【この研究の意義】
日本でよく「ポリドクター」と言われる状態を、研究として評価する指標を開発しました。今後はこの指標を用いて、ポリドクターが患者さんの予後やアウトカムにどのように影響していくのかを明らかにすることが期待されます。
【文献はこちらから】
Measurement of polydoctoring as a crucial component of fragmentation of care among patients with multimorbidity: Cross-sectional study in Japan. J Gen Fam Med. 2023; 24: 343–349. https://doi.org/10.1002/jgf2.651
, , , , , , et al.